良い家づくりは信頼できる人間をつくるところから始まる。そういう人間を育てるのも僕の大事な仕事。

自然素材の家の価値を伝えたい、ナチュールホームの高橋 普佐男です。

先日、下地材をそのまま仕上げに使う建材の新商品の紹介を受けました。

なんでもドイツ生まれの最先端の建材らしく、外壁にピッと張って木桟で押さえるだけで終わりらしい。
カッコいい感満載の施工事例の写真も見せてもらった。

申し訳ないけど、僕はそれに全く魅力を感じない。
20年後、30年後にどうなっているかの姿を想像すれば使用NGと即決できるから。

もちろんこの建材に魅力を感じる人もいるでしょう。

感性は人それぞれなんで、それを否定することはしません。
でも僕は使わない。

大切なことはその建材に愛着が持てるかどうか。
最初は奇麗でも、経年劣化によって必ずみすぼらしくなる。
果たしてそのときに愛着が持てるのか?

年を経るほど美しくなる素材たち

まあこういうことを言い出すと建材が売れなくなるんですよね。
過去にも、どうしようもない建材が何度も登場しては消えての繰り返し。

良い家にしようなんて目的は全くなく、ただ売れればいいだけ。
大体は目新しさでお客様を引きつけたり、楽して儲けようとするものがほとんど。

ナチュールホームのような工務店が勧める味わい深くなる自然素材系の建材って、建材屋側から見たら勘定に合わないものがほとんどなんです。
原価が高いし、使い方を教えるのが大変だし、保管が難しいし、クレームが怖い。
そもそも良さをちゃんと説明できない。
結果面倒だから、誰も好んで扱わないんです。

で、冒頭の新商品を扱っている当の本人はというと、一切そういうものを使わない家に住んでいたりする。

ではそういった誤った建材を使うことを避ける方法とは。

それは有識者に聞くこと。
それも信頼のできる人物でないといけない。

設計士でも、工務店の社長でも、ハウスメーカーの営業マンでも、
とにかく信頼できる人に相談すること。

そうなると良い家づくりは正確な知識を持ち、依頼者に合った良し悪しのアドバイスができる、信頼できる人間をつくるところから始まることになる。

この住宅建築業界は、実はそういう人間がものすごく少ない。

みんな勉強していないんです。
売ることばかり考えて、本当に大切なことをおざなりにしているんです。

その証拠に、なぜこれほどのエンドユーザー(住宅取得者)が迷っていることか。

でもこれほど信頼できる人間が必要な業界は他にはないよ。

家づくりほど、人の幸せに、健康に、人生に大きく関わる仕事はそうそうないんだから。

そんな信頼できる人を育てることも、僕のこれからの大事な仕事です。

常にエンドユーザーに目を向けなければ、この業界に明日はない。

各々が自分の考えや言動に100%責任の持てる人間になること。
そうすれば、住宅業界は新築戸数の数に関係なく発展していくでしょう。

目線の先にあるのは常にお客様の姿


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プロフィール
プロフィール 高橋普佐男
岐阜県羽島市の工務店、ナチュールホーム株式会社の代表取締役。

幼いころから家が原因のアレルギーに悩まされ、10年前に建てた自宅は家族が健康に暮らせる家に。使うほどに味わい深くなるものが好きで、家も同じ考えです。無垢の木・漆喰・塗料・鉄・石などの天然素材を上手に活かしたオリジナルの家を造っています。

妻と小学生の娘と息子の4人家族。家づくりに関する楽しい話からコアな話、暮らしを楽しむ方法などをお伝えしていきます。 一級建築士・シックハウス診断士・VOC測定士。